いわゆる古事記以前の書。所謂超古代史そのもの。
また、古語拾遺には、「上古之世、未有文字。貴賤老少、口口相傳。前言往行、存而不忘。」がある。つまり、漢字が伝入以前、文字がなかったり、古事記以前も書籍がなかったということを示している。対して、古史古伝は多くその独自の文字・神代文字で書いて、漢字以前も文字が存在すると主張する。
残念ながらそのほとんどは自らが主張するよりも成立が新しい偽書だと考えられ、中には東日流外三郡誌のように1970年代以降の成立と見られるものまである。中には近年万葉集の時代においても死語となっていたと判明した言葉が含まれているなど、成立に大きな謎のあるものもあるため、内容が完全な創作とは断定できないが、そのような文献にしても、年代計算からして大きく誇張して書かれていると考えられるため、現天皇系血縁を正当化する文の多い記紀と比較しても、正確な歴史資料とはいえない。
よって、これらには正確な歴史研究の上での価値は皆無に等しいといって良いだろう。だが国学研究などの文化研究に関しては、作成者の思想やその背景を読み解くために、偽書と断定した上で一定の価値が認められる。