逢坂冬馬著【同士少女よ、敵を撃て】 戦争というものは、いつどんな時代に置いても苦しみと悲劇の連続です。特に第一次、第二次大戦のような近代戦争であるなら、更に凄惨を極めると言っていいのかもしれません。 本書『同士少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬著』はそんな第二次大戦の最中の、独ソ戦を舞台にして描かれた物語です。 主人公、セラフィマはもともとはイワノフスカヤという小さな村で狩りをしつつ暮らす、平凡な女の子でした。しかし、突如としてドイツ軍から襲われ、家族同然だったっ村人が皆殺されてしまうのでした。唯一の肉親である母親まで殺害され、自らも凌辱されそうになったところをソ連の軍人、イリーナに救われます。 ドイ…