www.nhk-book.co.jp 両極端がつねに流れ、混じり合いそうで混じることなく、とはいえ互いを排除することもなく、緩やかに流れていく、そんな本だった。両極端というのは、ことばも、感情も、意識も、しきたりも、常識も、いろいろなところで常にあって、その間を僕らは揺れ動く。ノリにあわせて動くこともあれば、見えてくる流れにぱっと反抗して固まり動かなくなることもある。 向坂くじらさんの文章に線を引くときに、段落ごと引くことが多いことに気がついた。どうしても段落をまるごとハイライトしたくてたまらないのだった。1つの事象に対して、段落を目一杯使って、こちらからも、あちらからも、端間らこちらからもこ…