鈴木涼美『悪い血』を読んだ。今回最後の芥川賞候補作。 金原ひとみ『YABUNONAKA』に出てくるみたいな理解のある彼くんが出てきて、結局行き着くべき「しあわせ」とはそこなのか?みがあって興味深かった。 理解のある彼くんって白馬の王子様みたいに絶滅危惧種というかそれよりもそもそも存在しないペガサスとか、そんなものなのではないだろうか。 でも『悪い血』の主人公は理解ある彼くんに救われてるわけじゃなくて、理解あるからこそ苦しんでいる。自分のことを自分で責めているから、そのぶん人から許されていることもなかなか受け入れられない。結局同じ境遇にある自分と似たような人間に肯定されることで、自分を許し始める…