大正時代、円本の普及と共に、大衆受けは良いが、世俗的で品性の低い、文学的価値の乏しいテキストが大量に出回った。既存の作家達や、円本のような作品を卑しむ人々により、今までの文学はそういう大衆文学とは一線をかくしたジャンルであるとされ、それは純文学と名付けられた。もっとも、そうは言え、既得権益を守るために作った組合みたいな側面も多分にあった。 (こっちのほうがまとまってていいと思います)
大手出版社の最終候補に複数回残りました。出版社の賞レースが望む作品ではなく、好きな作品を書いてたら、時間があっという間に経っていきました。その作品をネット販売すると、無広告で数百万円の利益が出ました。 それにしても、あっという間の時間の流れ、時間って本当に扱いにくいコです。時間はいうことを訊きません。時間は待ってもくれません。時間は平等です。時間しか平等ではありません。でも人生は不公平です。世の中の通過が、お金じゃなくて、時間になるのだとしたら・・・あなたはどんな仕事をしたいですか?
藤野可織さんの短篇集『おはなしして子ちゃん』を読み終えました。以前読んだ『ドレス』を読んで興味を持った作家さんです。『おはなしして子ちゃん』もその世界観に一気に引き込まれてしまいました。この短篇集には、私たちの日常のすぐそばに潜む、少しだけ歪んだ、あるいはゾッとするような出来事が詰まっています。読んでいると、まるで現実と非現実の境界線が曖昧になっていくような不思議な感覚になります。
かわいーと、かわいそーはにている。 藤野可織『来世の記憶』(KADOKAWA 2020年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 「前世の記憶」:DVおっさんの来世。 「眠りの館」:友達との宅飲みのなか居眠り。 「れいぞうこ」:小学生の間で冷蔵庫に入って眠ることが流行。 「ピアノ・トランスフォーマー」:ピアノの才能を持つ子供が突然ピアノに変態。 「フラン」:19歳の時の私は。 「切手占い殺人事件」:女子高生の間で切手を集めることが流行って、JKが死ぬ。 「キャラ」:そういうキャラって、私を決めつけないで。 「時間ある?」:サンスペリアが密に呼吸をしています。 「スパゲティ禍」:ある日人が突然スパゲ…
大好きな小川洋子先生の本を、改めて読み返してみようと思い、まずはデビュー作である『完璧な病室』から再読しました。 完璧な病室 (中公文庫) 作者:小川洋子 中央公論新社 Amazon 収録されているのは、「完璧な病室」「揚羽蝶が壊れる時」「冷めない紅茶」「ダイヴィング・プール」の4編。それぞれ全く異なるテーマを持ちながらも、小川先生ならではの静謐で美しい文章に貫かれていて、心がじんわりと癒されるような読書体験でした。 一つひとつの言葉がとても丁寧に紡がれており、「一語も読み落としたくない」と思わせてくれるような文章ばかり。読み進めながら、「あ、この表現、素敵」と思うたびに付箋を貼っていたら、気…
今回紹介するのは、芥川賞を受賞した、まったく新しい山岳小説。 ピークを目指さず、山を彷徨うことを目的とした山行をする男の純文学です。 道なき道を行くことは人生にも似て、 「今、仕事で悩んでるんだよな~」って人に、勇気を与える作品です。 もくじ 📖 作者の松永K三蔵ってどんな人? ⛰️ あらすじ|「バリ山行」とは、道なき道を行く登山 🧗 バリる妻鹿さんの哲学|生きることは藪漕ぎに等しい ☕ まとめ|バリって人生そのもの 🔗 『バリ山行』の関連記事 📖 作者の松永K三蔵ってどんな人? 2021年に作家デビューされ、本作は2作目のほやっほやの新人さん。 なのにこの筆力。 実体験を書いた?ってくらい、…
「こんな話を書いてほしいんですけど…これはエンタメになりますか?それとも純文学?」 お問い合わせの初期段階で、こうしたご質問をいただくことがあります。ジャンルの呼び名にこだわる必要はないのですが、依頼者の方にとっては、自分の構想がどの系統に属するかを知っておくことで、完成後のイメージを掴みやすくなるのも事実です。 では、「エンタメ小説」と「純文学」の違いとは何でしょうか。実は、出版業界でも明確な線引きがあるわけではありません。しかし、読者層や目的、読後感の傾向には明らかな違いが見えてきます。 エンタメ小説は、読者の没入感を重視した物語です。展開のテンポが早く、主人公が困難を乗り越えていく「起承…
読書も To Doリストに入れる しばらく読書してないから 波に乗るまでは読書を課する 昔の純文学面白い 何てことない日常の暗鬱とした気持ちの変遷 好きやで
いつのまにやら本数が増えすぎて自分でも把握できなくなってきたので、とりあえずリストを作ってみました。上のほうが新しく、下にいくほど古いものになります。電子書籍にしか掲載していないものもありますが、そちらも一番下のリンクから無料でダウンロードできるので、この機会にぜひ。短篇小説「とはとは」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「空跡」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「第一村人刑事」〈非戦力系刑事シリーズ〉 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「つもり刑事」〈非戦力系刑事シリーズ〉 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 2」 - …
純文学も書けるようになりたいものだ。 あわせてよみたい 純文学も書けるようになりたいものだ。 今日は、ちょっと会社を休んだ。 理由は簡単で、朝起きたらどうにも体調がよろしくなかったから。頭も少し痛かったし、鼻も出るし、喉もガラガラしてる。熱はないけど、いわゆる“風邪の初期症状”ってやつかもしれない。今、うちの会社で地味に風邪が流行っていて、それにあてられた可能性もあるなと思って、大事を取ってお休み。今週末には伊勢に旅行する予定もあるし、ここで体調を崩して「行けませんでした」なんてことになったら、それこそ目も当てられない。病院行っても様子見だろうから葛根湯を飲んで静かにしてる。 幸いなことに、今…
みなさん、こんにちは!今回は、古市憲寿さんの小説『平成くん、さようなら』を紹介したいと思います。 この小説は「安楽死」というすごくシリアスで難しいテーマを扱っているんだけど、それだけじゃないんです。現代社会の空気感とか、今どきのちょっと変わった人間関係とか、「生きるって何だろう?」「死ぬってどういうこと?」っていう深い問いかけが、古市憲寿さんならではのクールで、でもどこか優しい視点で描かれています。 読み終わった後には、なんだか心がザワザワして、色々なことを考えさせられる…。そんな、忘れられない読書体験ができる一冊です。