推理小説の形式で「回想の殺人」という形式があります。この形式は過去に解決された事件、もしくは未解決事件を再調査する事で、 事件の真相にたどり着くという形式です。今回、紹介する【5匹の子豚】という中編小説は、 クリスティーが初めて【回想の殺人】を使用したといわれている作品です。 五匹の子豚 (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,山本 やよい 早川書房 Amazon 先ずは、小説のあらすじを簡単に説明します。名探偵ポワロの元にカーラという女性が訪れます。そして、カーラはポワロに16年前に夫殺しの容疑で逮捕されて、 獄中で死亡した自分の母親の事件についての再調査を依頼します。その依頼を受…