1943年に発表された「5匹の子豚」という小説は、クリスティーが始めて【回想の殺人】を使用して発表した小説です。 *「回想の殺人」とは過去に解決された事件、もしくは未解決事件を再調査する事で、 事件の真相にたどり着くという形式です。 前回の記事では【5匹の子豚】を再読した感想を書いてみましたが、今回は、クリスティーが何故【5匹の子豚】を書いたのか?について書いてみたいと思います。まず、クリスティーが創作してきた推理小説の中でも、ここまで話の「起承転結」がハッキリとした小説は、 この「5匹の子豚」だけだと思います。そして、文庫版の「5匹の子豚」に編集されている作品解説によると、クリスティーは「ス…