【源氏物語711 第22帖 玉鬘11 】 「神仏のお力にすがれば きっと望みの所へ導いてくださるでしょうから、 お詣《まい》りをなさるがいいと思います。 ここから近い八幡《やわた》の宮は九州の松浦、 箱崎《はこざき》と同じ神様なのですから、 あちらをお立ちになる時、お立てになった願もありますから、 神の庇護で無事に帰京しましたというお礼参りをなさいませ」 と豊後介は言って、姫君に八幡詣《やわたまい》りをさせた。 八幡のことにくわしい人に聞いておいて、 御師《おし》という者の中に、 昔親の少弐が知っていた僧の残っているのを呼び寄せて、 案内をさせたのである。 「このつぎには、 仏様の中で長谷《は…