はてなブログに引っ越してから初めての投稿です。以前、他所で書いた文章で、第三巻『十六才の娘のための源氏物語』の範囲になります。 ウチの教材に使われている箇所で気になることがありました。「胡蝶」巻。36才の光源氏が養女玉鬘の美しさに惑乱し、玉鬘の手を取って思いを訴える場面です。 「むつかしと思ひてうつぶしたまへるさま、いみじうなつかしう、手つきのつぶつぶと肥えたまへる、身なり肌つきのこまかにうつくしげなるに、なかなかなるもの思ひ添ふ心地したまうて、今日はすこし思ふこと聞こえ知らせたまひける。」 この部分を小学館『新編日本古典文学全集』では次のように訳しています。 「恐ろしいことになったと思って、…