まるで季節がワープしてしまったかのような陽気が続いている。ついこの前まで「寒い寒い」とマフラーに顔をうずめていたのに、気づけば上着もいらないような気温になっていて、慌ててクローゼットの奥から春服を引っ張り出す始末だ。朝、天気予報を見て「え、20度超え?」と驚くことも多くなった。ほんの数週間前までダウンジャケットが手放せなかったことを考えると、あまりにも急な変化である。 それにしても、春はどこに行ってしまったのだろうか。寒い冬を抜けたら、もっとふんわりとした優しい季節が待っているはずだったのに、肌にじりじりくるような日差しはまるで初夏のようだ。桜だって、まだ咲いていない。梅と桜の間に、こんなに汗…