夏の嵐 かぜにまぎれて去るひとかげを追っていまだ正体もなく so I knew, くちごもりつつテレビにて深夜放送受信が終わる ぽっかりと暗くなりたり郊外の花を摘みゆく女がひとり やがてまたぼくが終わろうとする夜に蝉のぬけがら一切を拒む 青嵐去って一輪挿すだけの花壜がひとつ行方不明 That's a bloom, やがて消え去る色たちに報いるために死など撰ばず 俳優も暗喩に過ぎず夜がまた建築されし炎天の星 駅じゅうにおなじ女が立ちふさぐ地上に愛はなしと識りたり 夏またぎ 自転車通る一筋の車輪の跡が光るゆうぐれ 雨光るルーフの上の蟻たちが落ちてゆくなりせつなの彼方 箒すら刑具おもわす蒼穹(あおぞ…