宝永3年3月28日。津候(松平義行)が高須を発駕される。甚目寺通りから日比津へ向かい、納屋橋から天王崎を通り、性高院に立ち寄る。松寿院様牌前に参詣し、ついでに薩摩様牌を拝礼する。蕎麦切が出される。それから東輪寺へ寄られ、蕎麦切が出される。熱田に泊まられる。夜になって到着される。
堀川端の桜の花が去年からますます多くなり、茶屋の数も多くなり、20軒にもなる。天王崎のあたりに渡し船が出る。法花寺町本成寺で祖師の法会が行われる。
元禄14年9月15日。辰半(午前8時)過ぎ、文左衛門は元右・藤右・文右・源兵衛と天王崎から船に乗り、三またまで漕ぎ出し、あたりを漂う。魚や酒を楽しむ。月は昼間にような明るさで、子(午後11時)過ぎに帰宅する。船代は200文、船頭には飯も出して200文。文右は酒に酔う。