「憲法学の病」篠田英朗 <所感> 良書中の良書。 問題の原因を都合の良い解釈をして論理(らしきもの)を展開し、自説を肯定するのは詭弁の論法の一つ(これはストローマン論法)であるが、これが日本の憲法学の大本にあることを丁寧に指摘し、説明している本。 そこにあるのはまっとうな憲法論議や学術的な視点はなく、概念操作や開き直りだけだ。 例:日本の憲法学にとっての「戦争」・・・侵略者にとって攻撃された際の自衛行動も「戦争」。だから違憲。 →実際は「自衛権の行使」と違法化された「戦争」は別もの。 日本の憲法学にとっての「交戦権」・・・自衛戦争には「交戦権」なるものが必要。 →現代国際法で「交戦権」は存在し…