児童文学作家。1943年生まれ。日本女子大学国文科卒業。山室静に師事。『目白児童文学』『海賊』を中心に、多くの物語を発表。「さんしょっ子」で日本児童文学者協会新人賞、「風と木の歌」で小学館文学賞受賞。「遠い野ばらの村」、「風のローラースケート」などで数々の賞を受賞。ほかに「花豆の煮えるまで」「空とぶスカート」などの作品がある。1993年没。
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山のふもとで布団屋さんをしている一人暮らしのおじいさんの所へ、男の子がふとんを買いにきました。 おじいさんが小さな白ばらのもようのふとんを背負って、男の子の後をついて奥深い山の中へ届けに行くと、子供は急にいなくなって・・・ 安房直子 作・田中槇子 絵/ブッキング 「ぼくは、子ぎつねのコンタロウです。とおいところを、ごくろうさまでした。おかげで、すばらしいふとんが手に入りました。ほんとに、おもいがけないことです。こぶしの時期に、のばらのふとんにねられるなんて、ぼくは、ほんとにしあわせです。」 おじいさんが背中のばら柄のふとんも、白いのばらの花びらになっていました。 コンタロウはひみつの庭に、ばら…
安房作品におけるたぬき。代表作「遠い野ばらの村」「雪窓」の印象が強いのですが、全体的には、あまり作品数が多いわけではありません。 単行本未収録済み作品は、6作品。未収録作品をあわせても、14作品です。 半分以上が単行本未収録作品であり、主人公に採用したものも、すべて単行本未収録です。 「月夜のオルガン」は、安房さんが動物を主人公に書いた、記念すべき第一作です。 他の動物がもっと森の奥に引っ越していってしまったのに、音楽がすきで、 学校のオルガンの音から離れがたく、里の近くに住んでいる、たぬきの兄弟の話です。 そして、たぬきといったら、なんといっても、「雪窓」の おでん屋のおやじさんの助手となっ…
安房作品におけるねこ。ねこは、主人公の相手役、ナビゲーター役となることが多く、逆に、主人公となることは少ないようです。 単行本収録済み作品は、15作品、未収録作品も含めると、22作品となります。 ねこは、人間の主人公の良き相棒であったり、異界への導き手だったりします。 一番の印象的な登場をする猫は、 やはり、「三日月村の黒猫」に出てくる、片目の黒猫でしょうか。 片目の黒猫は、倒産寸前の山本洋服店を助け、 さちおを三日月村へと送り出します。 ラストに、朝露のように透明になるようさちおが磨き上げたボタンを、 失くした目の代わりに、ぴたりと嵌め込むあたりも、印象的です。 この三日月村の黒猫と双璧の黒…
◎安房直子のお料理会ご報告 *火星年代記さんコメント *参加者のみなさんからのコメント *お料理会 会計報告 ◎安房直子のお料理会ご報告 5月15日(日)、火星年代記さん(Twitter ID:@rayray23250052)をお招きして、新松戸「おうちスペースflat」さんにて、『安房直子のお料理会』を開催しました。 参加者10名(うち、スタッフ2名 石川珠美・松多有子)、 メニューは、 *小鳥とばらのパイ(「小鳥とばら」) *あわだつ緑色ののみもの(「緑の蝶」) *月のようにまるいプリン(「サフランの物語」) *ロシア紅茶(「あるジャム屋の話」) *すみれの花の砂糖づけ(「月夜のテーブルか…
絶版になっていた巻数が昨年度に再版され買うことができた。 改めて読むたびに別の世界にいるように感じる。
野原の真ん中にある、緑色のベレー帽がトレードマークのくまさんが営む楽器店。 お店の名前は「ふしぎや」。そこには、不思議な魅力を持った楽器がたくさんあります。 お話は、『ふしぎなトランペット』『月夜のハーモニカ』『野原のカスタネット』 『さむがりうさぎの すてきなたいこ』の4つの物語で構成されています。 お客は人から動物まで、何か困っていることがあり、 気が付くと、くまの楽器屋さんにたどり着きます。 登場する全員が楽器を目当てに楽器店に訪れたわけではありません。 お腹が空いているネズミ、寒い冬にまいっているうさぎ、雨ばかりで困っている少年、 ぶどうの実が甘くならなくて困っている農家のおじいさん。…
きつねは、安房作品では、なんだかすごく多く登場するような印象があるのですが、意外に少ないことに驚きます。 単行本未収録済みは、14作品、未収録作品もあわせると、22作品となります。 安房さんには「きつねと私」(単行本未収録)というエッセイがあり、きつねという動物に、ほかの動物とはちがう、一種神秘的な感じをいだくようになった、どのきつねも無邪気でかわいらしくて、どこかしら悲しげだった、と書いています。 影絵の悲しげなきつね、宮沢賢治の「雪渡り」のきつね、お母様の銀ぎつねのえりまき眺めながら、いたましい様な思いにかられた事。 「私の作品のきつね達は、(きつねだけでなく、熊でも鹿でもうさぎでも)常に…
安房直子さんの作品に登場するお料理を、実際に作ってみようという、夢のような企画です。Twitterで、『小鳥とばら』のパイを実作されていた火星年代記さん(Twitter ID:@rayray23250052)をお招きしました!! ※画像は火星年代記さんよりお借りしました 日時:2022年5月15日(日)12時~17時 会場:おうちスペースflat(千葉県松戸市新松戸3-178-2 ) 定員:先着10名 会費:2500円 メニュー: ★小鳥とばらのパイ『小鳥とばら』 ★あわだつ緑色ののみもの『緑の蝶』 ★月のようにまるいプリン『サフランの物語』 ★ロシア紅茶『あるジャム屋の話』 ★すみれの花の砂…
2月27日、ZOOMウェビナーによるリモート朗読会、山の童話集『風のローラースケート』を聴く会を開催いたしました。 申込視聴者63名、北は山形から、南は福岡まで、岡山、長野、愛知、福井、京都など、関東圏だけでなく、ZOOMならでは、日本全国からのご視聴ありがとうございました!! 朗読者4名、ZOOMの画面からの見え方を計算にいれた、実験的な演出を試みる演者も。画面いっぱい、躍動感あふれる熱演でした。 朗読を終えてのご感想を、いただきましたので、以下、ご紹介します。 ◆出演者の感想 1.「風のローラースケート」(朗読 森田麻知代) 永田さんが「風のローラースケート」に出会わせてくれたのが数年前。…
さむいさむい二月のことです。 まっ白い森のなかで、まっ白いうさぎが通りかかりました。 うさぎはつるりとすべって、雪をかぶった白い小さな家にぶつかったのです。 うさぎが家にあった銀色の鈴のひもを引っぱってみると・・・ ちりちりちり・・・ まるで、空の星が、 いちどに、ふりこぼれてくるような音がして、 そのあと、家のなかから こんな声が聞こえてきました。 「とびらのすずをならすのは、だれ?」 きれいな、やさしい声でした。 すずをならすのはだれ 安房直子作・葉 祥明絵/PHP研究所 お題「我が家の本棚」 あらすじ 感想 作者・安房直子さん 葉祥明氏の1枚の絵画のようなすてきな挿し絵がついたこの「すず…
1月の読書メーター読んだ本の数:43読んだページ数:2901ナイス数:79声の森の感想★★★★★読了日:01月01日 著者:安房 直子いたずらコヨーテキュウの感想★★★☆☆読了日:01月01日 著者:どい かやラベンダー―せかいいちゆうかんなうさぎの感想★★★☆☆読了日:01月01日 著者:ポージー シモンズさとうねずみのケーキの感想★★★★★読了日:01月01日 著者:ジーン ジオン月夜の誕生日の感想★★★★☆読了日:01月02日 著者:岩瀬 成子エミージーンのぼうしの感想★★★★☆読了日:01月02日 著者:メアリー チャルマーズおじいちゃんのゆめのしま (児童図書館・絵本の部屋)の感想★…
2023/1/26 おでん屋台「雪窓」を中心に紡がれる あたたかくて、ちょっと小気味よく、そして切ないお話 「雪窓」 作 安房直子 絵 山本孝 発行所 偕成社 おでんの屋台、行ったことありますか? うららかは北国出身だからか、おでんの屋台とは縁が薄く 行ったことがありません。 でもこのお話を読むと、おでんの屋台にとても行きたくなります。 お話についてですが、序盤から出てくるたぬきが とてもよい味を出しているのです。 最初はたぬきに化かされるとか、そっち方面を想像して 読み進めたのですが、うーん、そうきたかという感じ。 少し文字数が多いので、小学校低学年であれば 読み聞かせしてあげるとよいと思い…
このブログは、 アイダミホコさんのブログ https://mikoma-aam.amebaownd.com/ ネムリ堂のブログ http://nemuridoh.hatenablog.com の、童話作家 安房直子さんの作品に登場するお料理をめぐる、安房直子さん生誕80周年のコラボ企画です。 安房直子さん(1943~1993)は、日本女子大学在学中、北欧文学者、山室静氏に師事、同人誌『海賊』に参加、「さんしょっ子」で、第3回日本児童文学者協会新人賞を受賞。「きつねの窓」「鳥」「初雪のふる日」などが、小・中学校の教科書に採用されています。初期の幻想的で謎めいた作品から、動物たちが活躍する晩年のあ…
冬休みの帰省から戻ったら、学校の裏門のところ、日当たりのよい梅の木がすっかり咲いていた。遊歩道の梅の木は、何年か前に容赦なく刈り込まれてしまってから咲き始めが遅くなりまだ蕾のままでいる。最強寒波がきても、春が約束されていることはたしか。 なくしてしまった魔法の時間 (安房直子コレクション) 作者:直子, 安房 偕成社 Amazon はじめてのブックサンタのときに自分へのクリスマスプレゼントに買った安房直子コレクションを久しぶりに本棚からとり、ふるさと納税の六花亭の包み紙でブックカバーをつけて、里帰りの荷物に入れた。 さんしょっ子 きつねの窓 空色のゆりいす 鳥 夕日の国 だれも知らない時間 雪…
『しろいうさぎとくろいうさぎ』 ガース・ウィリアムズ ぶん・え まつおか きょうこ やく 福音館書店 とよさんちのクリスマスおはなし会で読んでいただいた絵本です。 とてもかわいい絵本ですが、大人の方にもどうぞ。 大好きな人とずっといっしょにいたくなります。 『ちいさいきみとおおきいぼく』 文:: ナディーヌ・ブラン・コム ; 絵:: オリヴィエ・タレック ; 訳:: 礒 みゆき ; 出版社:: ポプラ社. こちらはうさぎではなくおおかみですが、こちらもおすすめです。 なくてはならない存在のとても大切なあなた♡ 今年はうさぎ年ということで、とよさんちにあるうさぎの本を紹介します。 『どんなにきみ…
【今日は何の日】 *魚河岸初せり →各地の魚河岸でせりが開始される日 *初水天宮(はつすいてんぐう) →新年最初の縁日。毎月5日は水天宮の縁日で、年の初めの1月5日の縁日は特に賑わう *囲碁の日 →日本棋院が制定。「い(1)ご(5)」の語呂合せ *シンデレラの日 →1956(昭和31)年、グレース・ケリーがモナコのレーニエ大公と婚約した日 *小寒 →二十四節気の1つ。太陽の黄経が285度の時で、寒さが最も厳しくなる前の時期 *紬の日 →名瀬市(現 奄美市)で1978年から実施。名瀬市ではこの日に成人式を行うことから、市民皆が特産の奄美大島紬の着物を着てその良さを再認識しようと制定された *ホー…
うさぎの本を集めました! ◆不思議の国のアリス不思議の国のアリス (角川文庫)作者:ルイス・キャロル,河合 祥一郎KADOKAWAAmazon◇アリスのうさぎアリスのうさぎ (ビブリオ・ファンタジア)作者:斉藤 洋偕成社Amazon◇楽隊のうさぎ楽隊のうさぎ (新潮文庫)作者:けい, 中沢新潮社Amazon◇ねむりうさぎねむりウサギ (星新一ショートショートセレクション 3)作者:星 新一理論社Amazon◇うさぎパンうさぎパン作者:瀧羽麻子幻冬舎Amazon◆ガラスのうさぎガラスのうさぎ (フォア文庫)作者:高木 敏子金の星社Amazon◆兎の眼兎の眼 (角川文庫)作者:健次郎, 灰谷KAD…
先週、久しぶりに大宮にいく。定期券はきれてしまった。高島屋のうえの紀伊國屋書店にいき、予約の本といくつかの本をみつくろい、せいちゃんのクリスマスプレゼント、自分へのおくりものとあわせてブックサンタ。ふみちゃんからブックサンタでだんまりうさぎを贈ってほしいというリクエストがあったので、お取り寄せしておいたものをお願いする。自分には安房直子コレクションを買い足す。ふるさと納税で憧れの十勝日誌をもらって捨てられずにいた六花亭の包み紙を安房直子コレクションのブックカバーにした。一年に一度、しらない誰かのために本を選ぶのがささやかな楽しみになっている。 はじめての文学 小川洋子 作者:小川 洋子 文藝春…
この作品を知らずしてここに辿り着いた方へ、朗報です。 めちゃくちゃ癒されます。 ちなみに私はジャケ買いしました。 「きつねの窓」をはじめ、数々の童話を遺した安房直子(あわ なおこ)さん。 12編からなる短編集となっていて、さくさく読めるものが多いです。 (面白いので終わらないでって思いながら読んでましたw) 大体が10分程度で読めるので休憩時間に読めるのもポイント高いです。 なんといっても設定が素晴らしい。 動物がしゃべるしゃべる。 ジブリのようなディズニーのような世界観のお話ばかりで、小さい子供から大人まで楽しめる作品となっています。 他にも小説の感想を書いていますので、よかったら覗いてくだ…
「ライラック通りの会」会員の方のみの完全予約頒布⇒ 第1回発送分の お申込み受付は終了しました 本作品集は、作家・安房直子の単行本未収録作品が散逸してしまわないよう、ライラック通りの会の前身「花豆の会」が長年収集した単行本未収録作品ファイルをもとに、当会が後を継ぎ、その後発見できた数編を加え、テキストデータを起こし、冊子化したものです。 今では入手の難しい作品、広く世に知られることのなかった同人誌内の作品、エッセイなど、皆さまが、ここで初めて目にされるであろう作品が多数掲載された貴重な作品集となっています。 今回、1~7巻、全巻まとめてのお申込みを受け付けますが、発送は2023年2月より夏にか…
車を駐車場に停め、下の道路へ回ってみる。 すると、ほぼ当時のままの建物が迎えてくれた。 記憶の中の様子のままで・・・。 FUJI XF10 正面玄関へと続くアプローチもそのまま。門柱も。 アプローチを囲む植栽は当時はもっと木が茂っていたが、 違いと言えばそれくらいだった。 感激しながら建物の右手へと回る。 官舎があった場所だ。 うわー!! 石垣も当時のままだ!板塀も! 脇の石段さえも記憶のまま。 いや、もっと幅があったと思っていたが、 子供の頃の感覚だったからだろう。 だが、見事にそのまんまだ。 そして、この石段を上がった一番奥に、住んでいた官舎があったのだ。 行ってみよう。 ドキドキ・・・。…
『小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集』桜庭一樹(集英社) 各種媒体に発表した解説、読書日記、書評、対談を収録。 「解説」 もっとも“重要な”少女小説ということで『甘い蜜の部屋』『第七官界彷徨』『聖少女』の名が挙げられていますが、「重要」の意味するところがよくわかりません。 「リレー読書日記」 ガーネット『狐になった奥様』を「男って、ほんと、ときどきヘンなことをおっぱじめるなぁ」という流れで紹介してあるのが可笑しい。そう言われればそういう話なのでしょうか。 桜庭一樹や深緑野分の書評やエッセイの魅力は、紹介されている本が面白そうなだけでなく、本人が本当にその本のことを好きなんだな、というのが伝わ…
今日は良いお天気でした☀️ 朝の空気が冷たくて、白い息を吐きながら 犬の散歩をしたけれど、寒かったよ〜! 空を見上げながら歩くのが好き❣️ planet handさんから買った物❣️ 前に買ったハンカチの第二弾、 梅田サチ子さんのポストカードと キツネのブローチ❣️ 全部、安房直子さんの童話に関する物です。 それから、 ひるねこbooksさんから届いた物❣️ ぬまのうまきさんの、絵本❣️ おばちゃんからのお手紙にお返事を書くと言うお話。 イラストがとにかく可愛いです💕 ほっこりするよ〜(^_^*) 今日は白髪染めをして来ました! 明日は、両親の病院、 明後日は札幌と、 スケジュールいっぱいです…
◆シリアからきたバレリーナ シリアからきたバレリーナ 作者:キャサリン・ブルートン 偕成社 Amazon ◇エトワール エトワール! 1 くるみ割り人形の夢 (講談社青い鳥文庫) 作者:梅田みか 講談社 Amazon ◇バレエシューズ ノエル・ストレトフィールド バレエシューズ (世界傑作童話シリーズ) 作者:ノエル・ストレトフィールド 株式会社 福音館書店 Amazon ◇鏡の中の少女 スティーブン・レベンクロン 鏡の中の少女 作者:杵渕 幸子,森川 那智子,スティーブン レベンクロン 集英社 Amazon ◇うさぎのくれたバレエシューズ 安房直子 うさぎのくれたバレエシューズ (えほん・こ…
都立多摩図書館から研修の際に頂いた『あの人を知るための扉』資料で作成しました。 『ムーミンハウスの たくさんの窓から 名作を知れる』というイメージで作りました。 玄関を開けると、 ポプラディアの『ひやっか王』がお出迎え というのも図書室っぽいでしょ。 これを廊下の壁に貼りました。 これに興味を持ったら 図書室の扉も開けてほしいな。 ★ミヒャエル・エンデ モモ モモ (岩波少年文庫) 作者:ミヒャエル・エンデ,大島 かおり 岩波書店 Amazon ★安房直子 春の窓 春の窓 安房直子ファンタジー (講談社文庫) 作者:安房直子 講談社 Amazon ★エーリヒ・ケストナー 飛ぶ教室 飛ぶ教室 (…