今日は半月だ。 今まで月の満ち欠けなど大して気にも留めていなかったが、ここ数年はよく気がつくようになった。 なぜか。 今日はそんな話をしよう。 わたしは北海道の片田舎出身で、高校卒業とともに町を出た。 そして都会の大学に進学……と言いたいところだが、大学は地元よりもずっと辺鄙な場所にあった。 わたしの青春は田舎に始まり田舎に終わった感じである。 大学卒業後、東京で9年、福岡で2年を過ごし、すっかり都会の民となったところでコロナ禍になった。 当時老人が次々と亡くなっていたため、両親が心配になったわたしは、絶対に戻らないと思っていた実家に戻ることにした。 70代半ばの両親はコロナ禍という不安な時期…