母と二人きりで話し合い、家を出た日、わたしはその足で世鬼山の部屋へ行き、 「もう、さよならしよう」 と、前置きなしで世鬼山の、目を見て言った。 世鬼山は、暫くの間黙ったままだったが、最終的には、 「……ああ……」 と、別れを受け入れてくれた。 これまでの人生で、あんなにも涙が出たことはなかった。 もう未練はないと、そう思っていたのに、そんなことは、全然なかったらしかった。 世鬼山も、人はこんなに泣くものか?と、そう思うほど泣いていた。 「最後に」 二人でそう言って、そのまま世鬼山の部屋で、朝まで抱き合った。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 声は出たけど、会話はしなかった。 サヨナラも、言わなか…