小説家。 1976年、神奈川県生まれ。東京都在住。 2006年、「花宵道中」で第5回「女による女のためのR−18文学賞」大賞と読者賞を同時受賞。
前回のブログを書いたあとも結局読んでないの。毎日明日から本気出すって思ってます(笑)。GWは読書できていたらいいな。 4kg痩せちゃったし、認めたくはないけれど、うつ状態なのかも。 買ってはいますよ。もうここは何買ったか購入報告と化してますが。 『毛布 あなたをくるんでくれるもの』安達茉莉子 これまで言葉と絵で「物語」を表現してきた作家、安達茉莉子の初エッセイ集。日々の出来事や感情を丁寧に瑞々しく掬い上げた文章と、心に明かりを灯すようなイラストレーションで確実にファンを増やし続けてきた彼女が満を持して送り出す本書はきっと多くの人に自分自身を真っ直ぐに見つめるきっかけを生み出す、毛布のようにあた…
校閲ガールが面白かったので、同じ作者の宮木あや子さんの新刊を読みました↓ 校閲ガール↓ goodbyeol.hatenablog.com ++++ 「CAボーイ」は、その名の通り男性がCAになる話です。←まんま 元パイロットの父を持つ主人公の高橋が、夢諦めきれず外資系ホテルを退職し、中途採用のCA募集に応募しCAになる話なんですが、教官にしごかれながらも汗水流して同期と切磋琢磨しあう・・・話ではないです。 高橋には、「秘密」があります。 会社にバレるとちょっと不都合な秘密。 その秘密のために、パイロットになる夢も諦めます。 その秘密をCAになったことで解き明かされるのですが、解決までの道のりが…
本記事は百合短編小説レビュー企画『名づけられなかった花たちへ』の第3回です。 前回の記事は以下になります。読まなくても本記事の内容は読めます。 saitonaname.hatenablog.com 【※ただし今回につきましては三島由紀夫「春子」の内容に深く言及しますので、未読の方はご注意いただきますようお願いします。】 まず、作品の話に入る前に(念のため)、三島由紀夫に関して、触れておかなくてはならないのは伊藤氏貴『同性愛文学の系譜』(勉誠出版)のなかで語られている同性愛表象に関するくだりだと思う。 伊藤は「「性的指向」や「性自認」があくまで当人の「内面」の問題であるかぎり、それがいつどのよう…
宮木あや子 著(2010) ガラシャ (新潮社): 2010|書誌詳細|国立国会図書館サーチ しっかりした小説が読みたい……と思っていた時に宮木あや子さんの本があったためありがたく読みました。実はガラシャさんのことよく知らない(それでも刀ステの講談師の話は見てしまったし、特命調査慶長熊本もやったのだが……)。幽斎と三斎どっちが親だったのかもよくわかってない。小説は強い。小説を読んだのでだいたいの人物相関がわかるようになった。フィクションであることはわかった上なので、創作かもな、とは思いつつですけど。歌仙兼定らしき刀が人を刎ねてた。 姫神さまシリーズを読み返したくなったなあ。つきのあおきかぐや(…
ヨシタケシンスケ 著(2020) 欲が出ました (新潮社): 2020|書誌詳細|国立国会図書館サーチ 『やっぱり今日でした』みたいな1つのイラストに対して、短いエッセイがついている、解説系の本でした。解説系第二弾らしい。欲が出たんだね。 そして解説のない、カット集のページもあって、私はそこも好きだった。 12時間も寝て、完全に元気なはずなのに、図書館に言っても非常にやわらかい本(この本、あとは漫画)しか触ることができず(ただし宮木あや子『ガラシャ』は借りた)、おかしい、なんかおかしい、と謎だったが、生理前だった。ジャンル取り混ぜた大量の本たちはコンディションを映す鏡……
「一首鑑賞」の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 102.いつもいつもうつむき加減のアネモネの激しい色と弱さを嫌う (大村早苗) 砂子屋書房「一首鑑賞」で生沼義朗が紹介していた歌で、「謎彦」(「一首鑑賞」-その101 )の「前回」に相当する歌です。 sunagoya.com 前回紹介した通り、これは『希望の破片(カケラ) 30ansストーリーズ』という歌集からの引用だそうですが、その第一章からの引用だとか。二章以降からも一首ずつ引いており、 今もなお隣で笑っているような錯覚おこす深夜番組 永すぎた友達とみる今晩の月は微妙に右に傾く ふたりでは食べきれないと知りながら色…
タイトル『猫とシュガーポット』 作者 雪子 〈内容〉 女性と女性の恋を描いた短編集。 〈ひとこと〉 レズビアンな作品は今まで入間人間『少女妄想中』や、宮木あや子『官能と少女』などを読んできたが、いずれも百合小説で、漫画でレズビアンを扱う作品を読んだのは初めてだ。 この『猫とシュガーポット』を読んで思ったことは、登場人物が皆んな可愛いということと、登場人物の見ためが皆んな似ているということかな。 この作品に収録されている物語はどれも10ページ程度の短編集ばかり。 だから必然的に二人の少女のほほえましい日常を パシャリと切り取ったような物語が多い。 例えば手を繋いだら、彼女の温もりを感じて胸が高鳴…
お題「好きなものを100個、ひたすら書き出してみる」
きのう、パートナーのミイさんと区議会選挙の投票に行った。同じポストに届いた選挙の封筒をそれぞれ鞄に入れて、少しおしゃれして一緒に投票所の体育館へ行くのももう何回目かになる。ずっと思っていたこと。かつて人並みにモー娘が好きだったから、この時期よく目にするあの曲のサビはもちろんわかるけど、正直なところ、肝心な「選挙の日ってウチじゃなぜか 投票行って外食するんだ」のフレーズは私の中に刻まれていない。善良な人たちが投票日の昼下がりにSNSでこぞって口にしだすネットミームみたいなものと認識してるし、なんならちょっと寒いとすら思ってる。健全すぎて。だって私の実家はそういう「ウチ」ではなかった。両親が選挙に…
椿が落ちて桜が散って、ツツジのつぼみがひらきはじめてもう四月、みなさまいかがおすごしですか。本日は夜から大雨、春の嵐というかんじ。帰りのバスで雨粒を眺めながらこの文章を書いています。 ほんとうは昨晩のうちに書いてしまおうと思ったのだけど、金曜ロードショーがコナンの映画だったのでついみてしまっていまは翌朝。久しぶりにコナンをみましたが少年探偵団はそうとう危険をおかしている…! あとこれは一種の当たり前というか自然なことなのかもしれないけれど、コナンたちの年は変わらないのに携帯電話はスマホになっていて、冷静にそこ考えちゃいけないのはわかっているけど、なんかタイムトラベルみたいでおもしろいなと思った…
百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 十三・筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞ積もりて淵となりぬる 後撰和歌集 巻一一・恋三・七七六 詞書「釣殿の御子につかはしける」 陽成院 筑波山から流れ落ちる男女川のように、はじめは浅かった恋心が、 積もりつもって深い淵となってしまった。 恋ごころ つもりつもって 深い深い淵となった 筑波の山の水が、落下して 深い深い滝壺を作るように (さ・え・ら書房 『口語訳詩で味わう百人一首』 佐佐木幸綱) 筑波嶺の 峰から落ちる 女男川 恋は積もって 淵になります (講談社 『百人一首がよくわかる』 橋本治) 胸のほとり…
今週も振り返っていきます、 来週に旅行へ行く予定があるのでその準備に追われる合間に書いております。 『海が走るエンドロール4』たらちねジョン 海が走るエンドロール 4 (ボニータ・コミックス) 作者:たらちねジョン 秋田書店 Amazon 続きが気になりすぎる終わり方……! とはいえ、まあ。うみさんを主人公におくのならばいつか来るだろう展開ではあったので思ったより早めに消化されるんだな、とも感じました。 海は監督としての作品作りの仕方を学び、うみさんは描きたいものを見つけた。進みが多かっただけに次巻の展開が楽しみでありつつも怖いですね。 『百合小説コレクション wiz』 百合小説コレクション …
・校閲ガール ア・ラ・モード ・校閲ガール トルネード 著者:宮木あや子 ナレーター:中嶋ヒロ 出版:角川文庫(audible版) 面白いシリーズになりそうなので、ゆっくり読もう(聴こう)と思ってたんですが、ちょっと時間ができた時に2巻(ア・ラ・モード)の方を聴き始めたら、結局3巻まで…。 まあ、そんなに長くないですからねぇ。(通常倍速で6時間。2倍速だと3時間) 2巻の方は主人公(河野悦子)の周りにいる人たちを主人公に取り上げた短編集。上司のエリンギの話にチョイと泣かされました。 3巻は再び主人公の物語になって、作家兼モデルのアフロとの恋愛の行方、念願叶ってファッション誌編集に異動しての苦闘…
・校閲ガール 著者:宮木あや子 ナレーター:中嶋ヒロ 出版:角川文庫(audible版) 「石原さとみ」主演でドラマ化されてましたね。 妻と娘が大好きで…なんですが、僕は観てません。 チョット苦手なんですよ。石原さとみ。 …なのに読んで(聴いて)みる気になったのは、たまたまaudibleの「おすすめ」にピックアップされてたから。 落語っぽい、聞き流せるようなのが聞きたいな〜、って気分でもあったので、DLしました。 ビンゴでしたねぇ。 金曜の帰りの電車から聞き始めたんですが、そこそこ乗客の乗ってる車両で、思わず声を出して笑いそうになっちゃいました。 ドラマがどうかは知りませんが、audible向…
百合小説コレクション wiz (河出文庫)作者:深緑 野分,斜線堂 有紀,宮木 あや子,アサウラ,小野 繙,櫛木 理宇,坂崎 かおる,南木 義隆河出書房新社Amazon百合アンソロジー。 同じ百合アンソロの『彼女』に比べると割と文学寄りな印象で、半数は初めて読む作家。 イチャイチャ感や甘さよりもいろんな関係性を丁寧に描いている。 『選挙に行きたくない~』が一番好みかな。 D
【Kindle最大50%OFF】KADOKAWA小説&教養本 春の4000冊フェア (3/2まで) 今回は電子書籍ストアで始まった最大50%OFFのKADOKAWA の小説&教養本 春の4000冊フェアを受けて、対象の小説作品から30作品セレクトしました。気になる本があったらぜひこの機会に読んでみてください。 ※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。 1.盤上に君はもういない 盤上に君はもういない posted with ヨメレバ 綾崎 隼 KADOKAWA 2020年09月30日頃 楽天ブックス 楽天kobo Amazon Kindle 将棋のプロ棋士を目…