高野山で単なる観光以上の体験をしたいと思ったら、まず宿坊に泊まるのが基本であり、醍醐味でもある。 宿坊は、それぞれが寺院。本来は、その寺院に縁の深い参詣者が宿泊するためのもの。あくまでも信仰の場だ。食事は精進料理だし、朝の勤行に参加するのも宿坊の宿泊者ならではの修行の機会だ。 それぞれの寺院には歴史があり、建物や庭園にも特徴がある。それらを「縁者」として体験できるところに特別な味わいがあるのではないだろうか。 しかし、今の高野山の宿坊は巡礼者などの信者が宿泊するところではなく、すっかりゴージャスは「お宿」になってしまっていた。 一泊10万円などという部屋も珍しくはなく、「特別な体験」を求めて世…