本日の題材にする書籍は、「『憲法改正』の真実」(集英社文庫)。憲法学者の樋口陽一と小林節の対談集。タイトルは、この本の序「はじめに」に置かれた、樋口さんの発言から採った。 本書はすでに読まれた方も多いかと思う。まだの方は、今からでも遅くないので、本気で読んでいただきたい。どうも私は古い本を採り上げる癖があるが、この本は2016年に発行されたものだから、すでに2012年の自民党の憲法改正草案が出ているし、集団的自衛権も合法化された後のものだ。 小林さんは、もうずいぶん前のことのように感じてしまうのだが、2015年に国会で、集団的自衛権の法制化は憲法違反だと主張した憲法学者お三方のひとりだ。もとも…