平安末期の歌僧西行法師の家集。成立年は不詳、治承・寿永の乱(源平合戦)の最中か直後だと思われる。俊成・良経・慈円・定家・家隆ら五人の家集とともに六家集の一に数えられ、山家和歌集、西行法師歌集の別名がある。西行生前の撰を後人が増補したと見られ、西行の自撰なる『山家心中集』や、『西行上人集』との関連が注目される。 自然と人生を詠い無常の世をいかに生きるかを問いかけている。
短歌原文 何事も かはりのみ行く 世の中に おなじかげにて すめる月かな なにごとも かはりのみゆく よのなかに おなじかげにて すめるつきかな 西行『山家集』秋歌 のみ:「~してばかり」副助詞 強意・強調 かげ:(日・月・灯火などの)「光」 すめる:「澄める」と「住める」をかけている 現代語訳 全てのことがどんどん変わっていく世の中で、月は変わらずに同じように光り輝いているんだよなあ。 短歌を味わおう 今回も前回のブログに続き西行さんの短歌となります。西行さんについてや、他の短歌については過去ブログを是非読んでください。(このブログの最後にリンクを貼っておきます) 「何事もかはり「のみ」行く…
歌詞 古事記 日本書紀 最古の歴史書 万葉集 奈良末期 最古の和歌集 歌物語 伊勢・大和・平中 伊勢は「昔、業平ありけり」 源氏物語に影響を与えた 作り話 竹取 かぐや 宇津保 お琴 落窪 いじめ 源氏は紫 約1000年「あはれ」 狭衣に 堤「虫めづる姫君」 浜松 とりかへばや 夜半の寝覚 土佐は 紀が女になって 蜻蛉 道綱母 旦那が来ない 和泉は敦道 紫は彰子 更級 孝標女 源氏大好き 讃岐典侍は 天皇の看病 十六夜 阿仏尼 訴訟 とはずがたり 自叙伝 説話 今昔 古本 宇治拾遺 発心 鴨 十訓抄 古今著聞 沙石集 無住 古今 後撰 拾遺 後拾遺 金葉 詞花 千載 新古今 勅撰八代集 山家集…
今週のお題「初夢」に答えます。 見たと思いますが、覚えていません。 で、「初夢」の話を家族でしていた時、「初夢はいつ見るものを初夢というか」という話題になった。 wikiに拠れば、 「文献での初夢の初出は、鎌倉時代の『山家集』春 にある。すなわち「年くれぬ 春来べしとは 思ひ寝む まさしく見えて かなふ初夢」。ここでは、暦上の新年とは無関係に、節分から立春の夜に見る夢を初夢としている。この時代は、初夢に限らず、立春を新年の始まりと考えることが多かった[要出典]。その後、暦上の元日を新年の始まりと考えるようになったが、単純に、大晦日から元日の夜に見る夢が必ずしも初夢とはならず、江戸時代には「大晦…
昨日,友人から初日の出の写真が送られてきました.お借りして掲載します. 関西は少し雲があったようですが---美しい.久しく見ていませんでしたが,来年は久しぶりに拝むことにトライしてみようかと思わされました. 春ここに生(うま)るる朝の日をうけて山河草木みな光あり 佐佐木信綱 山と水と 「山河草木みな光あり」! 今日は,新年を詠んだ歌を取り上げてみます.出典は,いつもの「古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)」. 佐佐木信綱と同時代の代表的歌人お二人も,初日の出を歌っています. はつ春やほの紫の天地にいなゝき高し牧(まき)のあけぼの 釈迢空 釈迢空短歌綜集 今しいま年の来(きた)るとひむがしの八百う…
枯れ木立や落葉の話ばかりですが--- 今日もまた.すみません. しかし, 枯れ木立や落葉,冬枯れは見る人の心に訴えるものがあります. 今日は,枯れた芒(薄)を詠つた短歌を取り上げます. 実朝,後鳥羽院.現在の大河ドラマで脚光を浴びている歌人も「花すすき枯れたる野辺」「霜枯の尾花」と詠っています. その前に昨日の続きを少しだけ付け足します. 昨日,気になっていたことを少し調べた結果, 「葉を落とすメカニズム」は,かなり分かっているとして,Try-itの解説をお借りして,高校生物の学習内容を掲載しましたが--- https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entr…
歌人たちは,古来より,カエデやイチョウ以外の紅葉/黃葉も歌に詠んできました.そのような歌を取り上げています. 昨日の「柞もみじ」に続き,今日は「蔦もみじ」. ツタ(蔦)は,カエデと並んで,古来から紅葉の美しさが詠われてきた植物. 唱歌・紅葉(1911年,高野辰之作詞、岡野貞一作曲)でも,楓と並べられています. 秋の夕日に 照る山紅葉もみじ 濃いも薄いも 数ある中に 松をいろどる 楓や蔦は 山のふもとの 裾模様 蔦は,楓より早めに紅葉して,早く葉を落とすように思います. 一週間前には,公園の林や,ご近所の車庫の壁の蔦がとてもきれいに色づいていましたが---- 今日見ると,車庫の壁の蔦は全て葉を落…
160種あると言われるカエデ(=ムクロジ目 Sapindales,ムクロジ科 Sapindaceae,カエデ属 Acerの植物)は,古来から日本で愛され続け,今では世界でも重要な観賞用樹木になっています. 今日は,「様々な楓の種」&「楓/紅葉(楓の紅葉に限らない)を詠った短歌」を取り上げるブログの2回目です. 昨日はイロハモミジ(いろは紅葉,伊呂波紅葉、学名:Acer palmatum)を取り上げましたが,その変種とされ,イロハモミジと同じように人気のある品種にオオモミジ,ヤマモミジがあります. 楓の品種(2)オオモミジとヤマモミジ ヤマモミジ,オオモミジは,イロハモミジとは別種とされてきまし…
朝は乾いていた。喉の渇きは空気のソレか酒を呑んで寝たからか。朝日が残る空は羊雲。昨夜の月蝕満月を阻んだ雲か。一面羊で朝日を反射していた。 月蝕は厚い雲の上でTwitterで各所から中継されていたので補った。曇天模様の今日。月は観れずともいいか。大陸の次の低気圧がそろそろ中華内陸に広がって来た。オホーツクの低気圧はやや太平洋上に流れたが居座って海を荒らす。この荒海が豊かな海産の源なのだろうか。 山茶花の蕾はより育って来た。チョコチョコ挿している小枝類も根が出ていそう。 バナナ葉は肥料の足しになると言うが中々退化しない。大きな繊維は切ってあるが葉脈が強く残る。 10時過ぎに雨が降り出す。大粒強風で…
文字霊日記・3226日目 二枚舌で弥栄(いやさか)ホイホイ・・・ 舌禍で身を亡ぼすヒトビト・・・ ↓↑ 乱絶=亂絶 乱=亂 舌=𤔔・・・統合する? 「ノ+十+口」=「爫+龴+冂+厶+又」・・・? ↓↑ 乱=亂=釠・・・薍=艹+亂 舌=𤔔=金・・・ 𤔔=𡡗・亂(乱)・𤔧・𢿢・𢿳・𤔲 𤳞・覶・辭(辞)・𤕅・𤕌 乱(簡体字・新字体) 乨・乿・灓 ↓↑ 薍 薍=艹+亂 源順『倭名類聚抄』 荻に、「和名 乎木(をぎ)」 小野蘭山『本草綱目啓蒙』 「荻 ヲギ ヲギヨシトモ云 古歌ニハ フミゝグサ ヤマシタグサ カゼキゝグサ トハレグサ ネカラグサ ノモリグサ メサマシグサ ツユヤグサ ネサメグサ カゼモチ…
和田の原八重の鹽路にとぶ雁の翅の波に秋風ぞふく(金槐/秋/海上雁/235) 金槐和歌集は源実朝の歌を集めたものです。 実朝はどうして海の原(わたのはら)を「和田の原」と書いたのか、わからないですが、たくさん言いたいことがあるような気がしますが、それはいったんしまっておいて、歌を見ていきたいと思います*1。 歌を訳すなら、「和田の原八重の鹽路(しおぢ)にとぶ雁の」海の長い旅路を飛ぶ雁の「翅(つばさ)の波に秋風ぞふく」翼の羽々につめたい秋風が吹いている*2という感じでしょうか。海上の雁の旅路を、翼に吹く秋風を通して描いています。八重の潮路とは、長い海上の道を表す表現なのですが、この「八重」という言…
さっき本棚の埃を掃っていたら、ようやくにして、『折々のうた』の総索引が出てきた・・よかった!かなり探したので、達成感あり(^^♪ところで岩波書店の「日本古典文学大系」だけれど・・所有は、「万葉集」や「古事記」、戦記もの(「平家物語」など)や江戸時代のもの(西鶴など)が数冊あったが、 あとは、網羅していない・・今年選択したの放送大学の勉強は、国文学で、随筆がテーマである・・京都の下賀茂神社とか行きたくなりますね・・それはともかく、 方丈記;徒然草 (新日本古典文学大系) 作者:長明, 鴨,兼好, 吉田 岩波書店 Amazon 日本古典文学大系 30 方丈記/徒然草 作者:鴨長明 岩波書店 Ama…
ひとへなる蝉の羽衣夏はなほうすしといへどあつくぞ有りける 後拾遺集・能因 水の音に暑さ忘るるまとゐかな梢の蝉の声もまぎれて 山家集・西行 涼しくも衣手かろし御祓(みそぎ)川あつけはらひてかへるさの森 藤原為忠 *あつけ: 暑気 行きなやむ牛の歩みに立つ塵の風さへあつき夏の小車 玉葉集・藤原定家 うち沈む黒き微塵(みぢん)の照りにして暑(しよ)は果てしなし金の 向日葵(ひまはり) 北原白秋 やや暑き山の日ざかりの心よく大き西瓜をわりにけるかも 古泉千樫 西瓜
岩波文庫で西行といえば、しばらく前までは佐佐木信綱校訂の『山家集』(1928)だったが、近年は西行歌の全体像に触れられる『西行全歌集』約2300首が新たに出ている。人気があってずっと読まれている歌人というのは、やはり恵まれている。『西行全歌集』のなかにも登場し、西行とも関係の深い崇徳院の歌の扱いなどとは雲泥の差だ。政治的な敗者としての恨みを想像されて怨霊化させられてしまうばかりで、後の世の歌人としての不遇のために怨霊化したなどという話にはならないところが、文芸がはじめから持ち合わせている弱さなのだろう。歌のために怨霊化したら、怨霊化後の歌も出てこなければおかしいし、そのように仮託された歌を作り…
かつ濯ぐ澤の小芹の根を白み 清げにものを思わずもがな (山家集/下雑/1344) あらゐけいいちの漫画でピンクをいちごみるく色と形容する回がありました。 歌を意訳すなら「かつ濯ぐ澤の小芹の根を白み」澤でそのまますすいだ小ぶりな芹の根が白いみたいに「清げにものを思わずもがな」さっぱりと物思いしないでいられたらな、という感じでしょうか*1。 上下の実景・抽象の対比も鮮やかですが、「濯ぐ」という動詞に、おもしろい存在感があります。根の白さは、掘り起こして周りについた土を落としてようやく気づけるもの。自分の心が白いかどうかは、まずその周りにある有象無象の煩悩や雑感のような思考を洗い落として、ようやく気…
スーパームーン、皆既月食🌔が見える‥はずでありました💦 残念ながらお天気が‥☁️😭 まあ、こんなこともあるさっ🕺 今でこそ、月食🌔の仕組みがわかっているけれども、 昔の方は怖かったでしょうね💧 🌷上記事より引用🌷 西行様の和歌🌸 「忌むと言ひて 影に当らぬ 今宵しも 破(わ)れて月見る 名や立ちぬらん」——『山家集』よりこの歌は「世間の人々は月蝕は不吉だと言って光にも当たらないようにしているが、私はそういう月であればなおさら、無理をしてでも見ようとする。奇人変人の悪い評判が立たなければ良いのだが」という意味になります。 月食🌔の間は、御祈祷やお経を唱えたり不安に思いながら過ごしたようですが、 …
はれやらぬみ山の霧のたえだえに ほのかに鹿の聲聞ゆなり (山家集/上秋/300) 昨日すごい決意を固めていた風だったけれど、今日は日がなSplatoon3の体験版をプレイしていた。あんまり外に出られないし、しょうがないけれど、体験版の12時間の制限時間のうち1時間半ほどやらなかった。他にやることはないのか。まあ日曜日は何かと混むし、買い出しは、スーパーが混んでなさそうな平日の昼過ぎに行こうと思う。しかし、症状はないが検査をしたわけでもなく、規定に従って何日か自宅待機をするというのはなんとも、宙ぶらりんではある。 さて、そんなにはっきりしない景色と声の組み合わせが、はっきりとストロングポイントに…