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希少糖

(サイエンス)
きしょうとう

[英] rare sugar
希少糖とは、自然界に存在量の少ない単糖のこと。
国際希少糖学会による定義では、「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」とされる。

概要

単糖とその誘導体としての糖アルコールは、60種類ほどが知られている。そのうち自然界には、ぶどう糖をはじめとした7種類*1が圧倒的に多く、残る50種類以上の単糖及び糖アルコールは自然界に僅かしか存在していない。この7種類以外を希少糖と呼ぶ。

効果

自然界に多く存在する7種類については、細胞構成成分やエネルギーになることが古くからわかっていたが、希少糖についてはその存在意義が近年までよくわかっていなかった。しかし、研究が進むにつれ、希少糖のうちのいくつかに食後血糖値上昇抑制作用・脂肪蓄積抑制作用・動脈硬化予防作用・血圧上昇抑制作用・抗酸化作用などの作用があることが報告され、メタボリックシンドローム対策に期待される新たな機能性素材としても注目されている。
また、植物に対しても大きな影響を与えることがわかってきている。幾つかの希少糖がイネなどの病害虫防御関連遺伝子の発現を誘導すること、また生育調節作用を持つことを発見し、耐病性誘導や生育調節用の資材開発や利用法などの研究も進められている。

生産技術

希少糖の体系的な生産方法の研究は、香川大学農学部教授の何森健が、1991年に農学部のキャンパスから見つけられた、微生物が作る酵素の発見に始まるとされている。何森は、この酵素を用いて果糖から希少糖D-プシコースを世界で初めて作ることに成功した。
工業的には、でんぷんを酵素反応によって分解してぶどう糖を作り、ぶどう糖からイソメラーゼの反応によって果糖を作る。その果糖をもとにしてエピメラーゼ(DTE)の反応によって、希少糖D-プシコースを作ることができ、さらにD-プシコースから、イソメラーゼの反応によって希少糖D-アロースを作ることができる。また酸化と還元反応によってD-タガトースを作ることもできる。
このようにしていくつかの希少糖を大量に作ることができるようになったことで、これらの希少糖が、自然界に多く存在する糖では見られなかった、生理活性を持つことを見つけることにつながっている。
こうした研究は、香川大学を中心にした産学官連携事業として、現在も継続して行われている。

代表的な希少糖

日本で使用されている希少糖は、エリスリトール、キシリトールなどで、近年になって新たにD-プシコースなどが加わった。.

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