今回はタキトゥス著の「年代記(上)」を要約します。タキトゥスは紀元55~120年を生きた政治家・歴史家であり、本書は二代目ローマ皇帝ティベリウスから五代目ローマ皇帝ネロまでの時代の歴史をまとめた内容となっております。同様のものに塩野七生氏の「ローマ人の物語」がありますが、本書は当代を生きた人が事実をありのままに記述したものとなっているので似た内容ですが、違った色合いを持つものになります。 「年代記(上)」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:中(淡々と事実を記述していく構成であり、時折タキトゥスが論を展開、登場人物を非評するという形式をとる上、かつ歴史に名を深く残していない当代限りの人…