ベルリオーズの作品。
当時使われ始めていた、テューバやトロンボーンなどを激しく使った交響曲。
ベルリオーズの大音響の演奏会は、風刺画にもなった。
曲は次のモチーフを元に作られている。
「ある有能な芸術家が恋に破れ、アヘンを飲んで自殺する。しかしアヘンの量が少なくて死に切れず奇怪な夢を見る。」
恋人のフレーズ(固定着想)や交響曲にワルツを取り入れるなど非常に前衛的な作品で、後世にも影響を残す。
ベルリオーズは、舞台歌手ハリエット・スミスソンに恋をし、振られている。そういうわけでこの有能な芸術家はベルリオーズ自身ということである。この曲で大成功したベルリオーズはスミスソンと結婚することになるが、後にスミスソンの自殺という結果になってしまう。
恋人との出会いを表現した第1楽章、雰囲気を表現したあとに固定着想が演奏される。恋人を遠くから眺めている憧れなどを表現している。
ある舞踏会で、恋人の姿を見かける。恋人が他の男と踊っている姿を表現し、この物語の主人公は嫉妬を覚える。
野山の中で、もんもんと恋人のことを想う主人公。しかし、恋人に向かって叫んでも、こだまは返ってこない。
とうとう、主人公は恋人を殺し死刑宣告を受ける。断頭台に向かっていく主人公の姿、首が固定され、ちらっと恋人を思い出すが、無残にもギロチンによって首が落とされてしまう。
死んでしまった主人公の葬式を魔女が執り行う、魔女の饗宴のあとは、魂を取り戻しに来た神がグレゴリオ聖歌をモチーフに表現される。魔女の歌と神の歌が掛け合い、壮大なこの曲を閉じる。
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