帰り道が遠く感じる展観と近く感じる展観とがある。 お若い友人にしてイラストレーターの武藤良子さんの作画展が、久びさに東京で催されるとのことで、出掛けてみた。恵比寿の小画廊での展観から一年ぶりだ。モチーフは椿の花に一貫しているから、催しも不動の「百椿図展」だ。 室生犀星記念館のグッズデザインを担当なさったこともあってか、もともと金沢とはご縁の深かった武藤さんだが、この一年は東北地方の数都市を皮切りに、岐阜多治見、岡山倉敷、沖縄などで展覧会が催された。いずれも書店もしくは古書店が会場となっていたり、骨折り役となっていたりしたところを視ると、なにかそういった、心ある小書店さんがたの横情報網(シンジケ…