【副支配人の粗相】 その御夫妻が大きなホテルで媒酌人を務めるのは初めてのようだった。・・・・・・・・新郎新婦と媒酌人御夫妻の入場が終わって、200人を越える規模の披露宴会場の、ひときわ高い位置にある高砂の席に4人は着席した。媒酌人の挨拶が終わって着席する時に、担当だった私は媒酌夫人の椅子引きをしながら夫人に労いの言葉を掛けた。「奥様、お疲れ様でございます。御媒酌人のお仕事は終わりました。あとは最後にご退席されるだけですので、ゆっくりとお食事なりなさったら結構ですよ。御手洗いもご自由にお立ちになって頂いて構いませんので・・・」けれども、下を見下ろすくらいの高砂の席の媒酌夫人は軽く頷くだけで、相当…