北村甫編『世界の言語』講座言語第6巻,大修館書店,1981. 日本語の数詞は珍しい「倍数法」で、3(mi)と6(mu)、4(yo)と8(ya)が対応する。5(itu)と10(towo)が対応しているかは知らない。ともあれこんな体系はかなり珍しいので、まずこれが日本語独自のものかが問題となる。高句麗語の3(mir)、5(u-che)、7(nan-yn)、10(tek)との類似はよく知られているが、4、6、8がわからないので高句麗語も倍数法だったという確証はない。しかしこれだけ似ているのだから、ここでは夫餘祖語で倍数法の数詞体系ができあがったと仮定する。 風間喜代三「インド・ヨーロッパ諸語」北村甫…