去年に引き続いて今年も、文学フリマ大阪に参加してきた。出店数も来場者数も過去最高を記録し、会場は閉場のアナウンスがあるまで盛況であった。今回は、新刊を1冊刷ってきた。かつて工場で一緒に働いてきた同僚のYにふりかかるいざこざをまとめた本である。『泥沼』と題されたその本は74ページで、さらにカラー口絵4ページも付け加えたため、原価はかなり高くなっている。それを30冊刷ってきた。およそ35,000円にのぼる印刷代に、6,000円の出店料を上乗せすると、販売価格は1,400円以上に設定しないと、元は取れない計算であるが、当日は出血大サービスの700円で販売した。たとえ僕の拙作が優れていたとしても、名も…