『浄土論講話』金子大榮 文栄堂書店 1988年10月10日第一刷 古書を法友に借りて読んだ。 金子大榮師の書籍はいつもさらっとしている。とてもスマートなのだ。 読んでいて自分もさらっと行ってしまいそうになるのだが、自分の中きちんと全体像が残っていくのが不思議な感じである。 この本は天親菩薩の『浄土論』についてお話をされている講話の書き起こしである。昭和13年(58歳)から14年(59歳)にかけて神戸市御影の常順寺で毎月開催された讃仰会の講演記録。 『浄土論註』からの視点も途中入ってくるものの、『浄土論』を丁寧に見ていくという珍しい講義であったのではないかと思う。 途中の女性や根欠に関するところ…