「あっ、電球が切れた。また○○さんところに持って行かないとね」「え? 電気屋さんに持って行くんですか?」 この家では、電球や蛍光灯が切れると、器具ごと電気屋さんに持ち込んで交換していたという。壁についているものは、電気屋さんに来てもらっていたらしい。 ある日、トイレの電球が切れたとき、私は近所で電球を買い、自分で交換した。その瞬間、義両親はまるで私が魔法でも使ったかのように目を丸くしていた。その時少しだけ、嫁としての点数が上がったような気がした。 庭には高い柿の木があった。毎年、たくさんの実がなるのに、誰も収穫しなかったという。嫁いだその年、私は木に登って、すべての実を収穫した。 「一つだけ残…