子供の頃の記憶は曖昧で断片的だから、ふと思い出したことを書き留めようと思う。 よく「最近のことは忘れても昔のことは覚えているもの」と聞くが、だんだん怪しくなって来た。 抹茶を飲もうとしたら、曽祖母(ひいばあちゃんと呼んでいた)のことが浮かんだ。 それはひいばあちゃんがお茶の先生をしていたからだ。 そして、お茶室もちゃんと造っていた。 私がオギャアと産声をあげたのはお茶室だと聞いている。 (当時は家でお産をしていたんだなぁ) 私にはおばあちゃんが二人いた。 曽祖母と祖母だが、それぞれ「ひいばあちゃん」「若ばあちゃん」と呼んでいた。 母屋に曽祖母、祖父母が住んでいて、庭を通り抜けた離れに私たち家族…