私が好きだった作家の曽野綾子さんは、昨年2月28日に天国へ旅立たれた。享年93。 看取った、というか、亡くなる際に病室にいたのは、お嫁さんの暁子さんだった。 曽野さんがどんなふうに亡くなられたのかを知りたくて、この本を借りた。 あれほど聡明で、何度も足を骨折しながらも、よみがえり、文章を書いては海外に出かけて行った曽野さん。しかしそんな彼女にも、間違いなく最期の時は訪れた。当日、入院先から呼び出された暁子さんは、ベッドのそばで空腹を感じ、おにぎりでも買いに行こうと思って義母に言うと、義母は彼女の手をぎゅっと握ってきたのだという。握られるまま、食べ物を買いに行くのを中断し、付き添っていると、義母…