シェイクスピア全集 (7) リチャード三世 (ちくま文庫) 作者:W. シェイクスピア 筑摩書房 Amazon 明日から始まる松岡和子さんが講師を務める『リチャード三世』の講座(朝日カルチャーセンター)にオンライン参加するので事前に読んだ。 話に聞いたことがあったが、まさに稀代の悪党である。尤も巻末の中野春夫氏の解説によると、歴史上のリチャード三世は本書で描かれているほど悪人という史実はなく、「ありふれた人物」だったようである。それにしても、本戯曲での悪行は読んでいて気分が悪くなるほどだった。 作品としての重みやインパクトは、シェイクスピア劇の中でも有数だと感じた。リチャードが持つコンプレック…