大学教授の政治活動を禁ずるという内規に対し、吉野作造はさからわなかった。 否、さからうどころの騒ぎではなく、両手を広げて頷いて、さもなりなんと積極的な賛意を示す側だった。 (viprpg『やみっちサッカー』より) 理由はすなわちこう(・・)である、 「教授は教育と研究との重大な責務がある。真剣な政治運動に入らうとするならば、この重大な責務にさし障りを来すことは免れ得まいと思ふ。教授といふ地位は、これを充たす個人を離れて、学校に対し学生に対して重い責任のある地位だと思ふ。だから自分の政治的活動がこの教授としての仕事に差し障りを来すなら、その地位を後進に譲ることが正しいであらう。それで不安な場合に…