私は若いころ、果菜類の接ぎ木を研究課題にしていた。師匠の丸川慎三先生がウリ類の接ぎ木に使う台木カボチャの研究者だった。キュウリやトマトなど施設栽培で生じる土壌伝染性病害(連作障害)の対策として、当時は殺菌殺虫剤(毒ガス)の土壌処理か抵抗性台木を使った接ぎ木か、どちらかが選ばれた。私は当時から農薬嫌いだったので、接ぎ木を学べることを喜んだ。 ウリ類とナス類のほとんどで接ぎ木を試した。ピーマンやインゲンマメの接ぎ木、ナス台木に低温伸長性に優るトマトを使ってみたり、その逆も試した。トマトの台木にジャガイモを使った「接ぎ木ポマト」も成功させたが、当然ながら実用性に疑問符が付いた。ナスの台木にクコ (枸…