震災のどさくさに紛れて、世の中、さまざまな出鱈目がまかり通るようになった。ここで腐っていてはしょうもないので、心を気高く保つことだけは忘れないようにした。2012年、僕は32歳になっていた。博士課程ではたっぷりと時間を使うと決めていたが、さすがにゴールを意識しないといけない。2014年の3月に晴れて学位授与式(=卒業式)を迎える自分の姿をイメージしてみた。焦る。 公にできないことは多いのだが、この頃、TA業務のあり方や大学行政について考えさせられる事件が頻発し、疲労が積み重なっていた。震災後、誰もが興奮あるいは虚脱した時期ではあったのだけれど、そんな最低な時でも、「声の大きい人」が勝つようにな…