英文学者,翻訳家。 1943年3月2日、生まれ。2016年7月30日、死去。 北海道根室市出身。早稲田大学大学院博士課程修了。 将棋の観戦記なども書いている。 JRAのG1レースのときに配布されるレーシングプログラムにて、出走馬の馬名をアナグラムや同音異字の読み替えなどにより解説する「馬名プロファイル」を連載していた。
「フィネガン辛航紀 - 『フィネガンズ・ウェイク』を読むための本」 柳瀬 尚紀 <所感> 20世紀が誇る2大小説と言えば ・ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 ・マルセル・プルースト「失われた時を求めて」 (なお、いずれも20代のときに出会い挫折している) そんなジェイムズ・ジョイスの最期の作品が「フィネガンズ・ウェイク」。 作品のテーマはどうも人類の意識が円環(終わりなく続く)ことである模様。 模様と言ったのはとにかく中身は難解すぎること。理由はジョイス語と呼ばれる世界中の言語を使った言葉遊びと表現方法で書かれているためである。 直訳がそもそもできない、訳してもジョイス語のエッセンスが反映で…
🐤鳥の事務所PASSAGE店通信🐤 ◎総特集=「ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』100年!」 柳瀬尚紀『ジェイムズ・ジョイスの謎を解く』お買い上げ有難う御座いました。 皆さん、今日は。「鳥の事務所」です。7月は鳴かず飛ばずでしたが( ノД`)、これで開棚以来13冊お買い上げいただいたことになります。誠に有難う御座いました。 お買い上げ頂いたのは 〇柳瀬尚紀『ジェイムズ・ジョイスの謎を解く』・岩波新書、です。 かの難作『フィネガンズ・ウェイク』を完訳し、『ユリシーズ』を途中まで訳す途上で鬼籍に入った天才翻訳家の『ユリシーズ』読解のjoy(喜び)の書。取り分け第12挿話の語り手は「犬」であるとの…
―さらには、J.J.が言う、 第15投。264ページ、1075行目。 —And moreover, says J. J., a postcard is publication. It was held to be sufficient evidence of malice in the testcase Sadgrove v. Hole. In my opinion an action might lie. Six and eightpence, please. Who wants your opinion? Let us drink our pints in peace. Gob, we w…
ダブリナーズ (新潮文庫)作者:ジェイムズ ジョイス新潮社Amazon 20世紀文学に決定的な影響を与えたジェイムズ・ジョイスの代表作と言えば、『ユリシーズ』。「意識の流れ」という手法のイメージが強いジョイスだが、短編集『ダブリン市民』は、読みやすいリアリズム小説で、20世紀初頭のダブリンを舞台にした15の短編が作中人物の年代順に収められている。 どの短編もとてもいきいきとごく普通の市民生活を送る人々が描かれている。老司祭の死を少年の目を通して描かれた「姉妹」、二人の少年が学校をさぼって港へ遊びに行く「邂逅」。だれもが体験する人生の一場面を描いているように見えるのに、とてもリアル。それは「変な…