石見国邑智郡出羽郷を拠点とした刀工。銘に「直綱」あるいは「石州出羽住直綱」と切る。活動時期は南北朝期から室町初期にかけてであり、初代直綱から数代続いたとされる。 石見国邑智郡出羽郷の刀工 参考文献 石見国邑智郡出羽郷の刀工 寛政四年(1792)の奥書をもつ『古刀銘尽大全』や寛政八年(1796)刊行の『本朝鍛冶考』によれば、石見国出羽鍛冶の祖は、鎌倉末期の応長年間(1311〜1312)に活動した左衛門尉盛綱であった。そして盛綱の子が初代直綱とされる。 初代直綱は南北朝期の建武年間(1334〜38)に活動*1。弘安三年(1280)に生まれ、貞和四年(1348)に69歳で没したという。相模国出身で刀…