拷問依存症 (幻冬舎文庫) 作者:櫛木理宇 幻冬舎 Amazon 櫛木理宇氏による『依存症シリーズ』の四作目。この作の読了で、ようやく私はこのシリーズの「現在地」に追いついたことになる。どの作品も描かれる事象はおぞましくはあったが、そのおぞましさ故に惹かれてしまうという矛盾した心が自分にあることを気づかせてもらった。 今作は、一人の映像クリエイター我孫子が人を一人轢き殺してしまうところから始まる。映像クリエイターといえば聞こえはいいが、要するにエロ動画作成を生業にしている人物で、卑しい人格の持ち主の男という設定。我孫子は轢き殺してしまった人物を近くの工事現場に放り込みそのまま逃げてしまうという…