【私訳 後心不可得】 その5 “いはゆる佛道には、藎地みな心なり、起滅にあらたまらず。藎法みな心なり、藎心を智通とも學すべし。三蔵すでにこれをみず、野狐精のみなり。しかあれば、以前兩度も。いまだ國師の心をみず、國師の心に通ずることなし。いたづらなる西川と天津と。競渡と猢猻とのみに、たはふるる野狐子なり、いかにしてか國師をみん。また國師の在處をみるべからざる道理、あきらけし。老僧いまいづれのところにかあると、みたびとふに、このことばをきかず。もしきくことあらば、たづぬべし、きかざれば、蹉過するなり。三蔵もし、佛法をならふことありせば、國師のことばをきかまし、國師の身心をみることあらまし。ひごろ佛…