突然降り出した雨が、まさに鉄人と呼ばれた男の無念さを物語っているようだった。 2000年8月24日、格闘技イベント「K-1」黎明期からその人気を牽引してきた格闘家アンディ・フグが、急性前骨髄球性白血病により、入院先の日本医科大学付属病院で亡くなった。享年35。 ヨーロッパの空手会では敵なしだったアンディはK-1参戦後、1996年に優勝。 1997年、1998年には準優勝という強さを誇る。「ミスターK-1」と呼ばれ、人気を博した。 そんなアンディが危篤状態にある、との発表が突如、正道会館東京本部で行われたのは、同日午後2時15分のことだった。 そして、半信半疑で集まった記者たちの前で読み上げられ…