養老さんの壁シリーズ。 「死の壁」(養老孟司 著、新潮新書、2004年4月初版) 「バカの壁」よりもこちらの方が好きでした。壁シリーズとの出会いがこちらが先だったせいかもしれません。 死体を人として扱う、という養老さんの考えに触れて、死体をどういうものとして見るかなんて考えたことがなかったな、医学に携わる方がこういう考え方でいてくれるのは嬉しいなと思いました。 解剖学という極めて科学的・医学的知識と経験を持つと同時に、歴史や文化、暗黙知などへの理解、大いなるものへの敬意、宗教への理解など、目に見えないものも信じていらっしゃる。 この両方を持ち合わせていてバランスを取れる人、かつそれを言葉で表現…