気まぐれ随想録『赤とんぼ』 汝自身を知れ プラトンによると、「汝自身を知れ」は、ソクラテスが座右の銘として使っていた言葉だ。 デルフォイのアポロン神殿の門に刻まれた箴言で、七賢人により掲げられたという。アポロン神殿は《デルフォイの神託》で有名で、神殿の巫女の神がかりを通してアポロンの神託が祈願者に告げられていた。 その神殿の結界にある「汝自身を知れ」とは、いったい、どのような意味なのか? もともとは「神託によって自分の運命を直視せよ!」との意味だったらしいのだが…。 ソクラテス自身は、それをどのような内容で受けとめていたのだろうか。 すべては己の無知を知るところから始まるのだという。自分は何も…