最近では珍しくなくなったが、ホンワカした雰囲気のヘタウマ系イラストの創始者がこの人ではないだろうか。文章もそんな感じだ。決して名文ではない。かと言って、この人の友人、椎名誠のように力ずくで読者をどこかへ引っ張り込んでいくようなこともしない。ただ読んでいるうちに自然に、もう少し次に何が書いてあるのか知りたくなる。そして著者が見たものを実際に見たくなり、訪れた所へ行きたくなる。 仕事に追われる会社員生活を送っていた頃から、一種の憧れの気持ちを持ちつつこの人の本は何冊か読んでいた。今、こちらも年を取り、この人はもっとお爺さんになったわけで、「ロールモデル」であり続けているのは自然の流れか。集英社から…