1816年、聴診器が発明されると、そこからほんの少し、医者と患者間に距離ができたといえます。聴診器分の隔たりができたのです。それでも、医者は、必ず手で触診していたでしょう。レントゲンのX線では、さらに離れます。ドアを締め、出ていきます。放射能を治療者が浴びてはならないからです。 遠隔治療ともなると、接触そのものがなくなります。イメージでの共有、動画レベルでの診断です。遠隔で患者に気を送って、治す気功師のようなことが当たり前になってきたのです。 そうなると、面していないために出てくる不安や不信へのケアも必要でしょう。テクノロジーと五感の関係は、科学と医療の問題として、便利になりつつ、問題もまた潜…