注意が散漫になったり落ち着いて物事に取り組むことが困難になるといった特徴がみられる高次脳機能障害の一つ。
事故や疾病で脳に損傷を受けた場合などに起こる。注意力が低下し、ぼうっとしている、あくびが多い、呼びかけにすぐに応答できない、物事に集中できずすぐに飽きてしまう、二つのことを同時にしようとすると混乱する、などの状態がが症状としてみられる。
今回は、高次脳機能障害の一つである「注意障害」について多くします。 脳卒中後に注意障害の症状が出る方は結構多いですね。 皆さまの参考になれば幸いです。 <注意には大きく分けて4つの機能があります> 注意障害というのは、注意が低下した状態ですが、一口に「注意」といっても注意にも様々な機能があります。 注意の機能は大きく分けて、注意の持続、選択性の注意、注意の転換、注意の配分があります。 <まずは「注意の持続」の改善が大事!> 注意機能の中でもベースとなるのは「注意の持続」です。 注意の持続は簡単に言うと「集中力」です。 注意障害がある方は、まずは、一つのことに集中できる集中力を身に付けましょう。…
今回は、失語症に合併しやすい症状についてお送りします。 失語症の方は、失語症のみ発症されている方は少なく、他の症状を合併していることが多いです。 皆さまに知っていただけますと幸いです。 <右片麻痺> 失語症は多くの場合、脳の左半球の言語中枢やその周辺が障害されるために起こりますが、損傷の大きさによっては運動に関わる領野も損なわれ、身体の右側に麻痺を伴うことがあります。(脳の左半球を損傷すると、反対側の身体の右側に麻痺が生じます) 麻痺がみられる場所は、手、足、顔面などです。流暢性の失語症では麻痺はあまりみられません。 <右同名半盲> 脳の左半球を損傷すると右側の視野に障害が出ることがあります。…
今回は、小脳の働きについてお送りします。 小脳は運動の調節に関わる大切な働きをしていますし、それ以外にも大切な働きをしています。 皆さまの参考になれば幸いです。 <小脳の働き> 小脳は、筋や腱、関節からの深部感覚や内耳からの平衡感覚、大脳皮質からの情報を受けて、運動の強さや力の入れ具合、 バランスなどを計算して調節するという、運動調節機能を担当しています。 また、小脳は運動学習をすると言われています。 最近の研究では、短期記憶や注意力、情動の制御、感情、高度な認識力、計画を立案する能力のほか、統合失調症や自閉症といった精神疾患と関係している可能性も示唆されています。 <小脳が障害されるとみられ…
すごい久しぶりの投稿になりました。私の言語症状を引き起こしている神経症状と目の持病が悪化して文章を整理して作ることが難しい状態になっていました。現在は回復して、特に目の持病の対処方法を確立できたようなので文を書けるようになりました。 あと、これまで私は言語症状を抱えているのに、論文調だったり解説系ブログ調といった、私にとっては難しい文章を作ってきましたが、負担が重すぎました。これからは自分のキャパにあった量の文章を作って気ままに投稿していこうと思います。 私は早稲田大学在学中の20歳だったころに悪心を伴わない嘔吐を発症して、両目の潜伏性内斜視が発覚などいろいろあったが、このとき精神症状にも悩ま…
今回は「注意障害」についてお送りします。 「注意」には色々な機能があって、リハビリに取り組む際はどこから良くしていくかが大切です。 皆様の参考になれば幸いです。 <注意には大きく分けて4つの機能があります> 注意障害というのは、注意が低下した状態ですが、一口に「注意」といっても注意にも様々な機能があります。 注意の機能は大きく分けて、注意の持続、選択性の注意、注意の転換、注意の配分があります。 <まずは「注意の持続」の改善が大事> 注意機能の中でもベースとなるのは「注意の持続」です。 注意の持続は簡単に言うと「集中力」です。 注意障害がある方は、まずは、一つのことに集中できる集中力を身に付けま…
半側空間無視の発現に関わる神経メカニズム ~続き~ 人間が目的もって作業している際には、トップダウンに対象に対して注意を働かせる。この際、対象への注意の選択・集中は、後頭葉の視覚領域とともに、頭頂間溝、上頭頂小葉、前頭眼野といった脳の背側領域を活性化させる。この神経ネットワークを背側注意ネットワークと呼ぶ。 一方、予期していない刺激が外部から入り、その刺激に対して注意を即座に向ける場合に腹側領域が活性化する。こうした刺激誘導的なボトムアップ制御に腹側領域が関与し、これを腹側注意ネットワークと呼ぶ。 このように、注意の神経ネットワークには、前頭ー頭頂葉の機能的連結によって、意図的に注意を割り当て…
半側空間無視の責任病巣およびネットワーク 今日では、多くの研究より、USNは損傷箇所というよりも、右半球のネットワーク障害により起こると考えられている。したがって、頭頂葉損傷や前頭葉損傷であっても、あるいはそれらを結ぶ白質線維損傷でも、USNは出現するといえる。 近年では、USNは注意ネットワークの障害としてとらえられており、側頭ー頭頂部から前頭葉へと走っている神経線維の損傷の程度が無視症状の重症化と関連し、起始・停止の領域双方の皮質機能を低下させることが報告されている。 また、Karnathらは、USNの急性期の病巣は右の前頭葉や頭頂葉、側頭葉と多岐にわたるものの、慢性化の病巣は右側頭葉に限…
今回も前回に引き続き、「注意障害」についてQ&Aでお送りします。 ひとくちに「注意障害」といっても様々な症状がみられます。 注意障害についてさらにご理解いただけると嬉しいです。 Q1. 一つのことに集中すると切り替えられないのはどうして⁈ A1. 転換性注意の障害です →一つのことに注意を向けているときに他の別のことに気づいて注意を切り替える注意力を注意の転換と言います。 この注意力が低下すると、注意を切り替えることが難しく、何かを始めると、必要に応じて注意を切り替えて対応することが難しくなります。課題を変えることが苦手になったり、直前にやっていたことと混乱したりします。 Q2. 2つのことに…
今回は、高次脳機能障害の「注意障害」について、Q&A形式でお送りします。 注意障害は脳卒中の方の半数以上にみられるものなので、皆さまに知っていただけたらと思います。 Q1. 脳卒中や脳外傷になるとボーっとしちゃうのはどうして⁈ A1. 全般性注意障害といわれる症状です →脳卒中や脳外傷後などの脳に損傷を受けた後は、ボーっとしている、全体的に反応が鈍い、という症状がよくみられますが、これらは全般性注意障害といわれます。 外からの刺激に対して反応が鈍くなっている状態です。 時間の経過とともに徐々に反応が良くなってくることが多いですが、それに伴い、今度は個々の注意力の問題が目立ってきます。 Q2. …
今回は、高次脳機能障害の「注意障害」について、お送りしたいと思います。 注意障害は注意の低下、集中力の低下ともいわれます。 必要なものやことに注意を向け、集中し、それを維持することが難しい状態です。 必要に応じて注意を切り替えることも難しくなります。 <症状> ・注意散漫になりやすい ・周囲の刺激によって気が散りやすい ・集中を維持できない ・人の話を最後まで聞けない ・話の内容を十分に理解できない ・自分が気になるものには異常なまでに注意を向けることがある ・自分が気にならないものには注意を向けられない ・物事を終わらせるのに時間がかかる <周囲の対応> ・余計な刺激をなくす(静かな環境を作…