多様なレイヤーで構成されてる映画ですから、語ろうと思えば色んな視点から話せますが、監督インタビューのこの一言にテーマは集約できるんじゃないですか ――観客もいつまでもロズと一緒に“野生の島”にいたい、そう思えるほど心ひかれるものがありました。監督は、この作品が持つ感動の本質をどのように捉えていますか? 【クリス・サンダース】それは、原作者ピーター・ブラウンによるところが大きいと思います。彼は「カインドネス(人に優しくあること)は、生きるためのスキルである」ということを念頭に置き、『野生のロボット』を執筆していたと聞きました。私たちもそれを“north star(北極星=方向性と指針)”にしまし…