ブランド米だ。農産加工品だ。郷里は穀倉地帯だぞ。文句あるか――ではあるのだけれども……。 盆暮れにありがたいお心遣いをお贈りくださってきた親戚がある。早逝した従弟の夫人と令息令嬢によるご一家だ。系図的に観れば、遠い親戚と云えなくもない。にもかかわらずご縁が途切れずにきたのは、ひとえに亡き従弟の人徳による。 人懐こい従弟で、親戚中の人気者だった。ちょっと山を歩いたから、なんぞと云っては、蕗のトウだのタラの芽だの、ウドだの茗荷だのを送ってくれた。古新聞のなかで芽を伸ばしてしまったものも混じってはいたけれども、それもこれも含めてありがたく、気持が温まった。母と私とは大笑いしたものだった。 従弟他界後…