1 生死の意義 人はなぜ生まれ、なぜ死ぬのであろうか? また、私たちは何のために生きているのであろうか? 誰でも時折抱えてしまう疑問であるが、私は二十歳の頃、この疑問に対して一つの仮説を立て、概ね解答に辿り着いた。しかし、その解答は、科学的な視点を基にしたものであり、愛や憎しみ、さらには血も涙もない、冷徹で非情な現実を前提にしたものである。 だいたい、このような疑問を持つ時は、何かに挫折し、物事がうまくいかないなど、メンタルが弱っている時である可能性が高いので、ここで提示するのは憚れるのだが、本稿の前提として提示する必要があるので、願わくば、あまり真正直に受け取らず、生物の基本的原理を聞いてい…