日本の新約聖書学者。宗教批判を通じて現代批判を試みた著作でも知られる。
彼の仕事は大別して3系統に分類できる。
『原始キリスト教史の一断面』『マルコ福音書注解』『イエスという男』『書物としての新約聖書』から新約聖書の訳注つき個人訳(2007年7月より刊行開始)へと至る新約聖書学系の仕事
『批判的主体の形成』に始まり、『立ちつくす思想』『思想的行動への接近』『歴史的類比の思想』『宗教とは何か』『思想の危険について』等の批評・評論系の仕事
『キリスト教思想への招待』や『リーメンシュナイダーもしくは自治自由の都市の形成』といったキリスト教思想系の仕事
彼のこれらの仕事を繋いでいるのが、「宗教批判から現代社会批判へ」というテーマである。宗教批判を宗教批判として終わらせるのではなく、現代批判へと連なっていく仕方で展開していく中で彼の著作は書かれている。このモチーフは彼の最初の評論集である『批判的主体の形成』から一貫して貫かれている。