小説『春を背負って』の舞台に行ってみた。梅雨を迎える直前、晩春の奥秩父。 初日に目指すは甲武信岳(こぶしだけ) 19歳から28歳まで極真空手に精を出した自分にとって「拳」の呼び方と山容を持つ山は特別な存在。 新宿発の京王線の始発は5時19分。その前に、なか卯に寄るが緊急事態の名の下にテイクアウトしかやっていない。朝飯を食べそびれてしまった。世の中が不便になったのか、今までが贅沢だったのか? 高尾は曇っていたのに、山梨の塩山に着く頃には日射しが強烈になっていた。この登山のために梅雨入りを待ってくれたような好日だ。 大行列のバスに乗り、10時前に西沢渓谷に到着。30分前から並んでよかった。 新緑の…